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執筆者の写真田口光彦

ポストコロナ時代の教育を考える⑨:予想される研修業界の地殻変動

前回は、研修業界の地殻変動の予測を述べました。

私たちは、仕事を行うためには必要な知識とスキルを習得しなければなりません。

これはどんな時代でも不変です。

しかし、私たちの働き方や場所、テクノロジーの発展によって、習得方法は大きく変わるでしょう。

知識を習得する際に、人が人に教える場合はどうしてもバラツキが生まれます。

しかし、eラーニングならば要点を簡潔に学習できるうえに、標準化されたものが提供されます。

しかも、学ぶ場所も自分で選べます。


私たちは、この一年間でオンライン研修をたくさん体験しました。

web会議システムを使うことで録画も容易になり、研修に参加できなかった人に対するフォローも容易になるというメリットも生まれました。

研修が知識の伝達ならばこの動画を毎年使うことも可能であり、移動時間を活用した受講もできるようになります。


スキルの習得に必要なツールである作業要領書(注)やTWI-JIで使う作業分解シートもデジタル化されることは必然です。

カン・コツの抽出すらAIが使われ、スキル習得にAR(Augmented Reality:拡張現実)やVR(Virtual Reality:仮想現実)といった技術も活用されるでしょう。


以上のことからも研修業界の地殻変動が起きることがわかります。

ポストコロナ時代の教育で特に考えなければならないのが、人が集まる意味であり、人が関わる意味です。

そのためデジタルコンテンツに向かう領域と人が集まり・人が関わる領域に二分されていくのではないでしょうか。

そして、実際に人が集まる場では、リアルに集まったからこそ生まれる価値を創出するように設計する必要があります。

ポストコロナ時代に向けて、2021年度はたくさんのことが問われる年になるのではないでしょうか。


(注)作業要領書:作業を正確に、速く、やりやすく、安全に行うための科学的に正しい手順やカン・コツ、目標などが工程ごとに書かれたもの

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