ポストコロナ時代を見据えてマネジャーのあり方を考える⑨:発想で負けない
更新日:2021年10月23日
日本企業は、バブル崩壊後に「3つの過剰」と格闘するために、効率追求のマネジメントが中心になってしまった。(詳細は本シーズ①参照)
マクロの視点で見るとデフレ現象である。
下のグラフは、4つの成長率(0.97%、1.03%、1.30%、1.50%)の10年後の姿を描いたものである。
効率追求がけのマネジメントでは、安定は確保できても、成長を果たすことができない。
そのためにデフレ現象に陥ってしまう。
4つの成長率での10年後の姿は、以下の通りである。
0.97%:0.74
1.03%:1.34
1.30%:13.79
1.50%:57.67
0.97%と1.03%がデフレ現象であり、世界の高成長を目指した企業とでは累積効果が効いて、10年後に大きな差が開いてしまい、置いてきぼり状態になってしまう。
これこそが今日の日本企業が置かれた姿ではないだろうか。
0.97%成長はデフレそのものであり、1.03%成長はデフレ下で少し健闘していることを意味する。
グラフで見ると二つの違いは、微々たるもののように見えるが、0.97%成長の5年後は元の0.86になり、赤字状態に陥っているはずである。
10年後の0.74では、もはやリストラをしなければ存続することも難しい状態だ。
日本の社会で蔓延しているデフレ気分(マクロの視点)が、日本企業の成長を削いでいるように思えてならない。
そのため発想の時点で世界から取り残されている。
ポストコロナ時代では、発想で負けない組織文化をつくることが必要ではないだろうか。
アメリカ西海岸のマネジメントで使われているOKR(Objective、Key Results)は、P.F.ドラッカーが提唱したMBO(Management by Objectives)をより大胆な目標を達成する方法に改良したものである。
OKRでは、“達成できる可能性が50%”の目標をを良しとしている。
“達成できる可能性が50%”の目標を達成した姿が、1.50%成長ある。
日本企業も“MBOからOKRに変えればいい”という単純な問題ではない。
デフレ気分から脱却し、組織能力と社員の力を信じて目指すべきゴールに対する発想を変えることが求められているのではないだろうか。
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